働き方改革や同一労働同一賃金と言われて久しいですね。
とはいえ、働き方改革も働く企業によっても異なりますし、道半ばといったところでしょうか。
また、同一労働同一賃金についても職場で同じ業務を行うことは少なく、フラットな人事考課、賃金体系などを構築することも非常に難しいと思われます。
ただ、確実に言えることは、
他の人ができない高度な業務を専門知識を持って行うことで人材価値の差別化を図ることができる
ということです。
他方、
「資格を保有していても実務ができないとな。」
「資格はあくまでおまけ。」
といったようなことを耳にする機会もあります。
ですが、それは負け惜しみでしょう。
現実として資格を受験する人は多くいますし、履歴書にも保有資格などの記載欄があります。
結局、他者との比較なくして現代の社会は生き抜けません。
そこで、特に他者との比較を明らかにできるのが、そう、「資格」です。
決して資格コレクターになるべきとは全く思いませんが、実際に実務ができていなかろうが知識レベルをオープンに評価できる資格は保有していて無駄ではありません。
それが、ニーズがある上で難易度の高い試験ほどです。
そのような事実が背景にあるのか、いつの時代も資格取得は人気です。
特に、簿記のような認知度が高く実務に密接した資格は人気が高い傾向にあります。
実際、私も
・学生時代に簿記3級取得
・学生時代に簿記2級取得
・社会人になって税理士資格取得
※FP2級や宅建士なども取得
と学習を進めて参りました。
独立起業しているわけではありませんが、学生時代から学んできた知識や資格を活かした職種に就くことができています。
皆さんも、
・「何かの資格を取得したい。」
・「スキルアップ、ステップアップして年収を高めていきたい。」
・「蓄財の効果を高めるために、金融系の資格学習をしたい。」
そのような考えってふと思い付いたりしませんか。
その思い付きや考えを源泉にこのコロナ禍、資格取得にチャレンジしてみませんか。
ブログの1回目では「日商簿記3級」について、2回目では「日商簿記2級」について書きました。
今回のブログでは、簿記の最高峰である「日商簿記1級」について確認をしていきます。
私自身、「日商簿記1級」を受験・合格した経験はありませんが、この資格と同レベルの税理士試験の会計科目である「簿記論」を受験・合格しておりますので、それなりにお話できると考えております。
「日商簿記1級」は、「日商簿記2級」に比べて非常に難易度が高い試験ですが、それだけ他者との差別化を図ることができる貴重な試験です。
是非、ご自身のスキルアップ、キャリアアップ、年収アップの実現に向けてチャレンジしてもよい資格試験であると思います。
この「日商簿記1級」の合格を足掛かりに、より充実ライフをすごすきっかけとしていただけると幸いです。
それでは、早速、共に学んでいきましょう。
このような方におすすめ
・日商簿記の資格に興味のある方
・原価計算の知識取得など他者と差別化を図ってスキルアップ、キャリアアップを目指されている方
・最終学歴が高等学校卒業で税理士試験を目指すか検討されている方
・日商簿記2級に合格された方
など
結論:日商簿記1級は他者との差別化ができる資格
日商簿記1級の特長
結論から先に申し上げると、
「日商簿記1級」は、以下のような特徴があるでしょう。
このようにメリットを挙げるときりがないほどです。
しかも、「日商簿記3級」「日商簿記2級」と異なり、「日商簿記1級」保有者は起希少性が高く、会社員の方ですと下記のようなことが期待できるでしょう。
・履歴書に自信を持って書くことができる
・社内で明らかに優秀な人材とアピールできる(実務や人間性は抜きで)
・上司は口にしないでしょうが、昇給・昇格に有利に働く
・学習意欲の高い人と高評価を受けやすい
・原価管理など専門性の高い業務にコンバートされる可能性が高い
・幅広い視点や経営視点で物事の判断ができ、業務の幅が広がる
いずれもあくまで可能性の話ですが、「日商簿記1級」を保有している人とそうでない人ではやはり優劣が付く可能性が高いでしょう。
日商簿記1級ってそこまですごいの?
たまに、「日商簿記1級」について、
「日商簿記1級ってすごいかもしれないけど、経理とか財務関係部署の話だけでしょう?」
「日商簿記2級と対して変わらないでしょう?」
という方がいらっしゃいますが、「日商簿記1級」の学習で身に付けたスキルは、その他の分野でも活かすことができるスキルであると考えます。
理由としてはいくつかあり、
・10%程度の合格率の難関試験を突破する学習量をこなす能力がある
・長期間係る試験を突破するスケジュール管理能力がある
・解くべき問題や捨てる問題など、取捨選択を瞬時にできる能力
・諦めない能力
・幅広く難解な項目を理解し正答できる理解力や思考力
など、これについても挙げればきりがありませんが、このような能力があることを証明できます。
それこそ、これらのような幅広い能力を養うこともできる資格試験ともいえるでしょうか。
「日商簿記1級」は、スキルアップやキャリアップを検討されている方は、是非目指してみても良い資格試験ですので、チャレンジしてみませんか?
原価部門や経理財務部門など引く手あまた?!
あくまで私の経験上の話ですが、「日商簿記1級」の保有者は原価部門で活躍されている方が多いイメージです。
また、他部署の経営企画部や主計部、SCM(サプライチェーンマネジメント)部関係の担当者との連携も多く頼られている感じです。
公認会計士保有者と同様に社内管理部門で重要な役目を担っている感じでしょうか。
そのため、「経理・財務・主計・経営企画・SCM」関係の部署異動を望まれる方にとって、異動の願いを叶える強い武器となるでしょう。
また、こちらも個人的な印象ですが、
・税理士保有者
税務関係の担当(経理部、財務部、税務部など)
・公認会計士保有者、日商簿記1級保有者
原価、予算、経営計画の担当(経営企画部、主計部、SCM部など)
が強い領域なイメージです。
比較的、資金関係の業務にも精通しているいますし、本当にイメージや直感的なところで申し訳ないですが、私の周りの方や今までお仕事を一緒にしてきた方はこのような感じでした。
それだけ、「日商簿記1級」の保有者は幅広い業務の要となる可能性がありますので、是非、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
日商簿記1級の位置付け
「日商簿記1級」は、簿記界の最高峰の試験です。
「日商簿記3級」から「日商簿記2級」と続けて受けるのと、「日商簿記2級」から「日商簿記1級」を続けて受けるのことではわけが違います。
「日商簿記1級」は覚悟のいる試験です。
前出のとおり、合格をするとそれ相当の見返りが期待できる反面、学習期間、難易度、合格率、学習範囲など共に高レベルであるためです。
※昔(2016年頃)まで4級がありました。
日商簿記の関係図は以下の感じです。
第159回(2021年11月21日実施)のデータを基に作成しました。
日商簿記1級~3級まで全て合格基準は100点満点中70%以上です。
ただし、日商簿記1級は1科目ごとの足切りラインがあり、得点40%以上必要です。
一番難易度の高い今回メインの1級は、年に2回(6月・11月)試験があります。
合格率も約1割となっており、税理士資格試験の会計科目である簿記論と双璧をなすと言われています。
私自身、簿記1級を受験したことはありませんが、原価計算などが入ってくるので簿記論より難しい(?)のではないかと考えています。
次に、2級、3級ですが、年に3回(2月・6月・11月)試験となっています。
2級は合格率は約3割と、1級と同様に昔から大体この合格ラインで推移している印象です。
私が合格した時もそれくらいであったと記憶しております。
ただし、2000年代ですのであまり参考になりませんが。
ちなみに3級は、通例約5割の合格率でしたが、直近の試験に関しては、2級よりも合格率が低い逆転現象が起きています。
直近の受験者レベルが低かったのか、問題の難易度が高かったのか、又はその双方の要因かどれかでしょうか。
また、一般的に日商簿記検定は、税理士試験のような相対試験ではなく絶対試験のため、合格点に達すると必ず合格します。
しかし、それは2級、3級の話で、「日商簿記1級」に関しては上記10%の人が合格できる相対試験となっている可能性が高いです(表向きは、得点率70%以上ですが。)。
そのため、他受験生が正解するような正答率の高い問題を着実に広いつつ、各科目で足切りに引っかからないようにしていかなければならない試験でしょう。
・相対試験:受験者の中での相対的な点で合否が決まる、つまり周りと比べて自分が上かどうかが問われる
・絶対試験:合格ライン以上の点数を取れるかで合否が決まる、つまり絶対試験は合格ラインと自分の実力との勝負
これが「日商簿記2級」と「日商簿記1級」で大きな難易度の差があると言われる所以です。
受験資格
日商簿記1級~3級に共通していえることですが、これらの資格試験において受験資格はありません。
極論、幼稚園生でも受験することができます。
ちなみに、このような日商簿記に対して、税理士試験はなぜか大学卒(経済系や法律系の単位取得など)や日商簿記1級合格者など受験資格があります。
その点で、税理士試験などに比べて日商簿記は参入障壁は低いと言えるでしょう。
ちなみのちなみですが、日商簿記には受験資格がありませんが、税理士試験には受験資格があります。
【学識による受験資格】
・大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格した者 など
【資格による受験資格】
・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者
【職歴による受験資格】
・法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者 など
上記のような面倒な受験資格要件がありますので、これらに該当しない方は「日商簿記1級」を目指す方も多いです。
実際に、私の父もこの受験資格を取得するために「日商簿記1級」に合格しているそうです。
受験費用
では、実際に受験するとして、受験費用ですが、
です。
「日商簿記3級」の2,850円、「日商簿記2級」の4,720円に比べて少し値段が上がっています。
本気を感じる受験料ですね。
受験形式・受験申込方式
次に、受験形式と受験申込方式についてです。
受験形式は、
ペーパー試験(統一試験)
のみです。
2級、3級はペーパー試験(統一試験)の他にネット試験が用意されています。
次いで、受験の申込みの形式です。
最寄りの商工会議所でのみ申込みが可能です。
受験難易度:★★★★☆~★★★★★
「日商簿記1級」の受験難易度としては、「★4~5」としましたが、「★4~★4.5」が一番しっくりくる感じでしょうか。
最近の日商簿記は難しい傾向になってきているとのことですが、相変わらず1級に関しては簿記界の中では最高峰であると思われます。
しかも税理士試験と同様に相対試験と考えられますので、難易度は非常に高くなります。
税理士試験の会計科目である「簿記論」と双璧をなすと言われています。
ただし、年1回の試験しかない簿記論に比べて年2回試験が開催されますので、良い見方をするとチャンスは2倍です。
私も正直今受験したとしても全く受かる気がしません…
学習期間:1年程度~
「日商簿記1級」の一般的な学習期間は、
一般的に大手資格専門学校がいうには、
500~700時間程度
※ちなみに、税理士試験の会計科目である「簿記論」は450時間程度と言われています。個人的に、間違いなくこの時間では無理で、1.5~2倍程度は学習時間が必要でしょう。
と言われています。
ただし、この「日商簿記1級」もその時間では難しいのではないかと個人的には考えています。
大手資格専門学校がうたう学習期間の1.5~2倍程度学習時間を要する
と割り切って考えた方がよいでしょう。
ご存知のようにその時間を学習すれば必ず合格できるわけではなく、合格できるレベルになる可能性があるという話ですので、宣伝文句を鵜呑みにしないようにしましょう!
仮に1か月あたり60時間~80時間程度は学習時間を確保したと仮定すると、
大手資格専門学校が必要という500~700時間のうちマックスの500時間の2倍の時間である1,000時間を学習するとします。
・1か月60時間の場合
16.6か月≒約1年5ヶ月
・1か月80時間の場合
12.5か月≒約1年
と、大体こんな感じでしょうか。
結構核心を突いた数字だと思います。
個人的なおすすめの学習時間配分は以下のとおりです。
「学習時間が長い=合格」という訳ではありませんが、学習時間の積上げと学習バロメータの確認は必須です。
是非、学習時間管理も行いましょう。
ここは初期投資をすべきです!
「日商簿記2級」の独学と異なり、正直「日商簿記1級」の独学での合格は稀です。ほぼ奇跡でしょう。
ただですら1年程度は覚悟が必要な試験です。
1年適当に独学をしてやっぱり専門学校に通うかなっていうくらいなら、最初から初期投資をして大手の資格専門学校のカリキュラムを参考に学習を進めるべきでしょう。
大手の資格専門学校を活用する理由は、
・無駄に網羅する時間を削減できる
➢学習ノウハウがあるため
・学習スケジュールを立てられる
➢専門学校のカリキュラムを参考にできる
・結果的に安いコストで済む
➢無駄な学習時間削減に繋がる
などが考えられます。
少しわかりづらい内容ですが、「結果的に安いコストで済む」とは、
例えば、
時給1,000円の方が、大手の資格専門学校を活用することで効率的に学習でき、300時間の学習時間を削減できたとします。
つまり、
1,000円×300時間=300,000円
のコストがうきます。
このような考え方ができるでしょう。
そのため、トータルコストで判断される方は、大手の資格専門学校の活用をお勧めします。
大手の資格専門学校でも300,000円も学習費用はかかりません。
もっとリーズナブルに活用できます。
そこで、最短で合格したい方、本気で「日商簿記1級」に合格したい方は、大原やTAC、クレアールへの申込みをおすすめします。
日商簿記1級の学習範囲と学習方法
日商簿記1級の学習範囲の改定
「日商簿記1級」の学習範囲は、「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4つです。
試験としては、「商業簿記」と「会計学」で前半90分、「工業簿記」と「原価計算」で後半90分の合計180分です。
合格基準は得点率70%以上であり、1科目ごとの得点が40%を下回らないことです。
ただし、相対試験であると考えられますので足切りにかからず、他受験生が正答してくる問題を着実にゲットするように実力を付けましょう。
日商簿記1級の学習範囲
「日商簿記1級」の範囲は多岐に渡ります。
前出のとおり、「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4つのカテゴリーに分かれます。
この「日商簿記1級」ですが、商業簿記と会計学で90分、工業簿記と原価計算で90分の、合計180分の試験となっています。
商業簿記 | 仕訳問題 | 25点 |
会計学 | 連結、連結財務諸表、 株主資本等変動計算書など | 25点 |
工業簿記 | 個別決算 (損益計算書、貸借対照表など) | 25点 |
原価計算 | 総合原価計算、財務諸表作成など | 25点 |
合計 | - | 100点 |
商業簿記と会計学は「商会」と略され、工業簿記と原価計算は「工原」と略されます。
近年、商業簿記と工業簿記の一部の範囲が「日商簿記2級」に移行するなど、「日商簿記1級」の学習範囲は商業簿記、工業簿記に限っては少し狭くなっているといえるでしょう。
片や、「日商簿記2級」合格者にとって会計学は馴染みが薄く、原価計算も数学的な要素もあるため苦手にされている方多いようです。
商業簿記 25点
この商業簿記と会計学の試験範囲は似ており、あまり学習範囲を意識する必要はないでしょう。
ただ、商業簿記は仕訳や計算が中心であり、会計学は理論中心の科目です。
会計学で学ぶ概念を基に商業簿記の計算や仕訳があるといえるので、この関係性を意識しましょう。
少しわかりにくいですが、税理士試験でいうと簿記論が商業簿記で、財務諸表論が会計学といったようなところでしょうか。
計算問題を解き、合間で記憶系の会計学の学習を行うと効率的でしょう。
特に商業簿記は「日商簿記2級」の延長線ですので、
・「日商簿記2級」の受験後速やかに「日商簿記1級」の学習を開始する
・「日商簿記2級」の受験から時間が経っている場合は、一旦「日商簿記2級」の学習をやり直してから「日商簿記1級」の学習に移行する
このことを是非意識してください。
会計学 25点
「日商簿記2級」を学習された方にとって、会計の理論問題はとっつきにくいと思います。
どうしても暗記に時間をかけがちですが、「どうして、このような会計基準が設けられているのか」という問題意識を持ちながら理解中心に学習することをお勧めします。
とはいえ、筆者も追い詰められて税理士試験の財務諸表論の学習で最終的に暗記に走りました…
ただ、前半の学習で理解中心の学習をしていたおかげで、変則問題にも臆することなく対応でき合格できました。
あくまで筆者の税理士試験時の学習方法のポイント解説となりますが、
・学習前半~答練までは理解中心の学習を心掛ける
➢腑に落ちる、腹に落ちることを意識して
・テキストを音読する
➢口と耳と目でインプット
・各論点について端的に他人に説明できるまで理解に励む
➢理解していれば要約できるはず
※ただし、直前期に焦り始めると、暗記をするのも一つでしょう
このあたりのポイントを意識していただくと宜しいでしょう。
工業簿記 25点
工業簿記は、直接原価計算、標準原価計算、総合原価計算、個別原価計算が学習範囲の中心項目です。
ただ、工業簿記も商業簿記と同様に、あくまで「日商簿記2級」の延長線上というイメージでよいでしょう。
したがって、
・「日商簿記2級」の受験後速やかに「日商簿記1級」の学習を開始する
・「日商簿記2級」の受験から時間が経っている場合は、一旦「日商簿記2級」の学習をやり直してから「日商簿記1級」の学習に移行する
これらのことを意識した上で学習を開始するとよいでしょう。
計算の意味合いを理解しつつ着実に計算力を身に付けていくことが大切になります。
原価計算 25点
原価計算も工業簿記と同様に計算問題が中心となりますが、「日商簿記1級」特有のカテゴリーです。
原価計算は、儲けの判断、経営の意思決定を試す問題です。
企業は営利目的で運営される組織体であり、その利益を追求するために儲かるかどうかの判断を行います。
そこで用いられるのが原価計算です。
特にメーカーは原価計算を基に販売価額などを決定します。
原価計算は工業簿記と交わる項目もありますので、学習経験のある工業簿記から学習を開始して、原価計算の学習に入っていくことが理想です。
最後に、効率的で理想的な学習手順としては、
という感じでしょう。
どうしてもテキスト学習ばかり、問題解答ばかりだと飽きてしまいます。
なので、工業簿記のテキスト学習時に商業簿記と会計学の問題を解き、原価計算のテキスト学習時に工業簿記の問題を解くというようなサイクルで進めると、モチベーションも維持できるでしょう。
日商簿記1級と税理士試験・簿記論
最後に簡単にですが、「日商簿記1級」と「簿記論」が度々比較されますので、ざっくりと筆者も比較しようと思います。
基本的に両方とも合格率が1割前後(ただし、近年の簿記論は合格率が15%前後と高め)であり、若干運ゲー的な要素もあります。
特に、今回のテーマとは少しずれますが、「税理士試験科目」や「日商簿記1級」のように受験者の中に合格レベルに達している方は多くいます。
つまり、その日の問題や状況次第で結構合否に影響するレベルの当落線上受験生が多いものです。
中には、圧倒的な実力で運ゲーに巻き込まれない猛者はいますが、少数派でしょう。
それだけ、会計に関するトップレベルの資格になるとそれだけ高い試験となります。
さて、前置きは長くなりましたが、対比表でお示ししますので、ご参考ください。
比較項目 | 日商簿記1級 | 簿記論 (税理士試験・会計科目) |
---|---|---|
合格率(2015年度~ 2019年度の5年平均) | 9.4% | 15.6% |
試験頻度 | 年2回(6月・11月) | 年1回(8月) |
難易度 | ★4.5~5 | ★4.5~5 |
合格ライン | 正答率70%以上 ※個別科目の足切りあり ※ただし、実際は合格率 1割程度の相対試験 | 正答率60%以上 ※ただし、実際は合格率 1割程度の相対試験 |
受験資格 | なし | あり (大卒など) |
出題範囲(非常に近い) | 工業簿記、原価計算あり | 商業簿記のみ |
出題傾向 | 比較的安定 | 不安定 (問題作成者である学者や 実務家が変わるため) |
理論問題 | 会計学で出る | ほぼ出ない (財務諸表論があるため) |
解答時間 | 全体的に解く時間がある | 全く足りない |
特長 | キャリアアップを 目指すならを受験 しましょう | 税理士を目指すなら こちらを受験しましょう |
さいごに
いかがでしたでしょうか。
「日商簿記1級」は、「日商簿記2級」と異なり、「商業簿記」と「工業簿記」の学習内容が細かな論点まで問われるようになるだけでなく、「会計学」や「原価計算」といったカテゴリーも追加されます。
各科目ごとに足切りが設定されたり、実質的な相対試験であります。
そこで、やはり、合格の確度を上げるには、資格専門学校を活用するのがコスパ的にも時間的にもいいと思います。
「日商簿記1級」はステータスも高く、合格することで得られるメリットも多くあり、チャレンジするに値する試験でしょう。
是非、チャレンジしてみてくださいね。
これからも共に学んでいきましょう。
ではでは。今日もありがとうございました!