製薬会社のMR(医薬情報担当営業)の1日のスケジュールは?MRの資格取得って難しい?MRへの転職を考える!慎重に検討しましょうPart2

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前記事までは、製薬業界やMR職への就職・転職に関心のある方向けに製薬業界の動向やMRなどについて見てきました。

本記事では、それに続き、私の実体験を基にMR職について見ていきます。

ちなみに、 私は、職種・ジョブチェンジを2回、転職を2回経験しています。

また、職歴や転職には直接関係していないかもしれませんが、税理士資格と宅建士資格、FPなどを有しており、資格試験の受験・合格経験もあります。

この資格試験や受験関係はまた今後ブログで触れていくとして、本日の記事からは私が過去に経験をした職種や職業などについて見ていきます。

これから就活される方や、転職を検討されている方などの一助となれれば幸いです。

改めてになりますが、私が最初に就職した業界は、金融業界の内資系証券会社でした。

そこで3年程度実務経験を積んだのち、製薬企業のMR職(医薬情報担当者、医薬情報を伝える営業)へ転職しました。

実際にMR職の実務経験は2年程度ですが、要所は抑えておりますので、ご参考ください。

それでは、早速見ていきましょう。

目次

このような方におすすめ

・これから転職活動を開始する予定の方

・転職活動に興味のある方

・製薬会社に関心のある方

・MR職に関心のある方

・営業職に興味のある方


など

MR職の実態について

前回の記事では、一般的な製薬業界、製薬企業、MR職などについて確認してきました。

ここからは、実際にMR職としての勤務経験がある私を例に細かく見ていきましょう。

是非、就職・転職の参考としていただけるとありがたいです。

・MR職について

・MR職の1日のスケジュール

・ルート・セールスと新規開拓の違い

MR職について

MRについては先ほど確認をしましたので、ここではMRがどのような仕事を行っているかについて見ていきましょう。

主な仕事内容は以下のとおりです。 主な訪問先としては、病院・クリニック等の医療機関、卸店、薬局です。

【MRの主な仕事】
①定期訪問先である医療機関への訪問
・自社製品の使用訴求
・自社製品の適正使用の情報収集
・副作用発生の対応
・安全性情報の収集 など

②自社製品取扱い卸店への訪問
・担当MSとの連携
・新規採用の共闘(同行など)
・施策の実施・提案 など
 

③薬局への訪問
・自社製品の処方状況の確認
・自社製品適正使用方法の訴求
・患者属性のヒアリング など
 

④講演会・研究会等の実施
・地場研究会との共催
・著名医師の招へい
・全国講演会等への随行  など

定期訪問先である医療機関への訪問

一番メインの訪問先は、病院やクリニックなどの医療機関です。

MRによっては、病院などを専門にする病専やクリニックなどの小規模医療機関をメインとするMRがいます。

イメージとしては、大体、後者のMRが大方です。 病専のMRはエース的なイメージでいいのではないでしょうか。

なぜなら、

【なぜ、病専のMRがエースか】
・広域処方に影響をもたらす基幹病院の薬剤採用に関係するため

・大学病院担当の場合、大学病院教授勢を相手にするため   など

どこのメーカーもある程度、クリニック対応ができるようになってくると中小規模の病院を担当し始めて、見込みがあると大学病院等の基幹病院を任される感じだと思います。

会社での地位を築くためにも、大学病院担当を目指しましょう。

自社製品取扱い卸店への訪問

卸店の営業担当者のことをMS(マーケティング・スペシャリスト)と呼びます。

MSの主な業務としては、医薬品・医療材料・医療機器などを医療機関や薬局に安定的に供給させることです。

さらに適正な医薬品を医療従事者に選択・使用いただけるように提案することも業務に1つです。

このMSですが、医薬品等の配送や医療機関等からの依頼ごとを対応するため、MRに比べて医療従事者からの信頼が高い傾向にあります。

実際、私もMR時代にはこのMSに色々と助けていただきました。

今でも感謝しています。

ただ、良い点ばかりではないのが難しいところです。

給与面です。

MRに比べて幅広い業務や行動量が求められる割に、どうしても製薬企業で働くMRに比べて卸売業である卸店のMSの給与水準は相対的に低い傾向にあります。

そのため、(どの業界や会社もそうかもしれませんが。)人によっては高圧的であったり、態度が悪い方もいらっしゃるので、共闘して得意先(医療機関や薬局)を攻略していかないといけませんので、精神的に辛い場合もあります。

そのような場面で想定されることを念頭に置いておきましょう。

MSと円滑に仕事ができないと、この業界では正直厳しいと思います。

薬局への訪問

薬局もMRにとっての訪問先としても大切です。

処方に直接影響しないからと適当に対応したり、訪問しない方を結構見かけたり、聞いたりしますが、あまり成績は良くないと思います。

やはり、処方されている薬剤に対する患者の反応は処方しているドクターにフィードバックすることも多々あると聞きます。

そのために、薬局も積極的に訪問して関係づくりをしましょう。

MRを目指される方は覚えておいてくださいね。

講演会・研究会等の実施

この講演会・研究会等の実施なども重要なMRの仕事です。

ただ、コロナ禍により開催が減ったという話もちらほら聞きます。

この講演会・研究会は同じ診療科の先生同士で行われることもあれば、異なる診療科の先生など幅広く集まる会などもあります。

この会を通じて実際の臨床の情報交換や共有の場となっています。

催事費も結構係る会も多くありますし、不必要(自社製品との関連性が薄い)だと感じる会もありますが、普段会えないドクターとの接点を持つチャンスの場でもあります。

MRになられた際は、積極的に対応しましょう。

MR職の1日のスケジュール

では、次にMRの1日のスケジュール(通常版)を見ていきましょう。

私が一番頑張っていた頃のスケジュールです。

私は県庁所在地近辺の担当でしたので、遠方の方のスケジュールとは異なります。

ただし、遠方社員の移動日以外は同じような感じだと思いますので、ご容赦ください。

【MRの1日のスケジュール】
・6時30分
 起床


・7時30分
 出発➢卸店へ直行
 ※資料準備を朝する場合は、もっと早く出社します
 

・8時00分
 ①卸店の朝礼参加
  今月の施策等の説明を実施
 ②担当MSとの軽い打ち合わせ
  雑談や喫煙時間も含む
 

・9時過ぎ~11時前
 マクドやカフェに行って内勤
 数字入力作業や実績確認等
 

・11時過ぎ~13,14時頃
 ①クリニック訪問(3~5件)
 ②病院訪問(1件)
  ※日によっては製品説明会実施
 

・13・14時~1時間弱
 昼食
 ※MSと一緒に食べることもあり
  関係構築のため
 

・14,15時~19時
 ①クリニック訪問(5~8件)
 ②病院訪問(1~2件)
  ※トータルで6~10件
 

・19時
 ※必要に応じて、卸店訪問


・20時
 大体は、自宅に直帰します
 ※資料準備が必要な場合は、事務所に戻ります

稼働時間としては、12時間程度あるように見えますが、移動時間と医療機関での待ち時間がほとんどで、実際に働いている時間は1~2時間程度じゃないでしょうか。

1面談:5~10分(※) × 8~12件 = 40分~2時間

※話が長い先は除きます。こう考えると、移動時間にラジオや音楽も聴けますし、短時間で的確に説明できれば、新規採用や処方拡大もできます。

なので、めっちゃ効率的な仕事かもしれません?!笑

ルート・セールスと新規開拓の違い

最後に、ルート・セールスと新規開拓の両方を経験している私が、その違いについてまとめました。

MR職はルート・セールスですが、新規開拓中心の証券会社と比較してその違いを確認していきましょう。

セールス方法ルート・セールス新規開拓
訪問方法飛び込みがメイン(アポなし)飛び込みがメイン(アポなし)
訪問ルートある程度計画に基づく(いわゆる定期訪問先)※もちろん、メールなどでアポ取りあり自由(アポとりもある)
実績計上手を抜いてもある程度見込あり完全に自分次第
1日の訪問件数5~12件程度(薬局除く)0~100件程度(不在先込み)
精神的安定(気楽さ)○(ある程度実績が上がるため)×(計上される実績が不安定)
実稼働時間0.5~2時間程度(上記参照)人による
行動計画作成重要先への時間をどの程度割くか担当者の力量が試される不安定だが、自由
努力と成果の関係少し薄い相当強い
身に付く営業力△~○

あくまで、真面目に働いたと仮定してですが、営業力の実力が身に付いたり、他で活かせる能力は個人的には新規開拓の方だと思います。

ただ、ある程度のワーク・ライフ・バランスで働きたいのであれば、ルート・セールスの方が向いているのではないでしょうか。

キーエンスなど高給激務と言われるほどではありませんが、製薬企業の営業であるMR職はある程度の給与ももらいつつ、適度な負荷で働くことができる可能性のある職種だと思います。

MR資格

次に、そもそものMR資格について確認しましょう。

MR資格の必要性 : なくてもいいが、あるにこしたことはない!

早速ですが、MR資格は取らなくても仕事はできます!

違う業種ですが、証券会社の営業では、証券外務員(1種と2種)の取得が必要です(ちなみ、私は証券外務員1種を保有しています。)。

すなわち、その資格がなければ、金融商品を取り扱うことができません。

それに対して、MRは営業をするに当たってMR資格は必須ではありません。 MR資格がなくても仕事ができます(確か、北里大学などは独自のMR試験があったような・・・。)。

ただし、そこまで難しい試験ではないので、製薬企業の営業担当者はみな有資格者だと思います。

少し厳しい言い方ですが、この試験が受からないのであれば、MRは諦めた方が良いともいます。

おそらく、現場でも勉強の方が難しいので、この資格が取れないようでは、どこかでつまづくでしょう。

MR資格試験について

MR認定試験とは、製薬企業などで行われるMR導入教育の成果を評価する試験であり、公的な資格です。

【MR資格試験概要】
<開催時期>

12月(年1回)<資格種類>
民間資格

<試験会場>
東京・大阪

<試験科目>
①医薬品情報 (80問、80分)
230点満点
②疾病と治療 (110問、110分)
300点満点
③MR総論 (80問、80分)
230点満点

<出題形式>
「正誤問題」
「三択問題」
「五択問題」

<合格率>
70%程度

<難易度>
★★☆☆☆(星2)

比較的分厚いテキストであり内容も専門的なものですが、相対的な受験生のレベルはそこまで高くないです。

そのため、常日頃から上位3~5割を目指せば問題なく合格できるレベルです。

最近の傾向はわかりませんが、私が受験していた10年ほど前は毎年同じような論点が出題されていました。

良く問われる論点を着実に抑えると合格にぐっと近づくと思います。

また、製薬企業にもよりますが、新入社員は4月入社のため、夏ごろまで研修を実施して、その年の12月の試験に臨みます。

つまり、ちゃんとすれば、半年以上の学習時間を確保できます。

学習手順

それでは、次に学習手順です。

個人的には、「疾病と治療」から取り掛かることをおすすめします。

これは、単純にボリュームが多いため、後半まで放置すると取り返しがつかない可能性が高いです。

特にがん領域は以前から、そしてこれからもホットな領域なのでがん領域に関する問題数も多い傾向です。

その次は、医薬品情報かMR総論かどちらからでも問題ありません。

ただ、個人的には、MR総論の方が日常生活に近い感じですので、スムーズに学習できると思いますよ。

ある程度テキストの内容を理解したら、ネットにある無料問題アプリや会社から配布される携帯アプリをひたすら自宅や仕事の隙間時間に解きましょう

ちなみに、まとめノートのようなものの作成は時間の無駄です。

テキスト自体が非常にコンパクトにまとまっているので、そちらの精読を心掛けましょう。

【個人的な学習の順番】
1⃣まずは、疾病と治療から取り掛かる 

2⃣がん領域を中心に主要な論点を抑える 

3⃣医薬品情報orMR総論に取り掛かる
 ※どちらからでも良い 

4⃣ひたすらネットや無料アプリの問題を解く
 ※テキスト自体がまとまっているので、まとめノートの作成は不要 

あとは、12月なのでインフルエンザにならずに元気で受験するだけです。

おまけ : 問題文にチェックを入れる

最後におまけですが、受験後すぐに正答率を確認するため、問題用紙にある選択肢のうち、ご自身で選んだものの番号に「〇(まる)」をしてチェックを入れておきましょう。

結果を無意味に待つよりは、事前に合格を確信して、楽しい年末年始を迎えましょう♪

まとめ

いかがでしたでしょうか。

前回と今回で製薬企業の営業職であるMR職について、一般的な製薬業界、製薬企業などに触れつつ確認してきました。

新規開拓と異なり、ルート・セールスは決まった特定のエリアに存在する得意先を担当して、自社製品の普及を目指すスタイルです。

私自身、圧倒的に精神的に楽なのは新規開拓に比べて、ルート・セールスでした。

決まった得意先となるため、刺激が欲しい場合や新しく開拓をして営業スキルを伸ばしたい方には物足りないかもしれませんが、腰を据えた営業をしたい方にとっては非常に魅力的かと思います。

業界の今後の動向として毎年薬価改定や、各社独特の問題としてパイプラインの不足などが挙げられますが、他業種の営業職の中でも比較的給与水準の高い業界であります。

そのため、ある程度の生活水準を確保したい方や年収アップの転職を目指す方には、1つの選択肢として考えてみるのもおすすめです。

ではでは。今日もありがとうございました!

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